きれいな線を描くためのテクニックと練習方法

難易度: ★☆☆☆☆

線を綺麗に引くのって案外難しいですよね。そもそも描き始めはどのように引けばよいかわからないこともあると思います。

本記事では、線がぶれたり震えたりしないようにきれいに引くためのコツと練習方法について詳しく解説します。

初心者の方でもわかりやすいようにペン設定などの環境から説明していきます。

デジタルの設定を見直そう

線を引く前にデジタル環境の方は筆圧設定とペン設定について見直しましょう。

引き方も重要ですが適切な設定にすることも同じくらい大事です。

筆圧設定

自分の筆圧は弱い方か強い方か把握していますか?

筆圧は案外人それぞれ差があるので、測ったことがない方は一度測ってみることをおすすめします。

自分にあった筆圧はソフトで簡単に設定できるので、試してみてください

ペン設定

ペン自体の設定も線を引く時には重要です。アナログから移行してきた方はツルツルした線に馴染みがないかもしれません。

デフォルトでソフトに用意されているものもありますが、自分好みのペン設定を探したり試したりするのもおすすめです。

CLIP STUDIOでは他のユーザーの使っているペン設定が簡単にダウンロードできますよ。

別の記事でも紹介しましたが、私はredjuiceさんの鉛筆Rがお気に入りです

描いている環境を見直そう

描き方の前にもう一点、物理の環境を少し確認しましょう。

ペンの持ち方

絵を描く時のペンの持ち方はどうしていますか?

正しい持ち方がきれいに線を引ける、というわけではありません。

無理に変える必要はありませんが、試しに持ち方を変えてみると線が引きやすくなるかもしれません

ちなみに私は握りスタイルです。

ペンの持ち方

机の高さ

紙(画面)との距離はどうでしょうか?

個人的にはタイピングするよりも少し高い位置に机があったほうが描きやすく感じます。

椅子の高さを変えてみたり調節して、自分にあったスタイルを見つけてみてください。

身につけておきたい3種類の線の描き方

いよいよ実際に線を引いてみましょう。大きく分けて身につけたい線の描き方は3種類あります。

それぞれコツと練習方法を解説していきます。

1. 震えたり途切れたりしないストローク

簡単に言うと一筆できれいな線を描ける技術です。

線画はもちろん、魅力的で効率的な下書きやラフを描くこともできます。

最初のうちは大体5cmくらいの線を一筆で描けるように練習するとよいでしょう。

ストロークのコツ

1つ目に手首を軸にして安定させることです。

肘を大きく動かして描くのではなく、手首の小指側を机につけて描いてみると線が安定します。

小刻みに動かしすぎることも逆に制御が難しいのでおすすめしません。

手首を軸にして安定させること1
手首を軸にして安定させること2

2つ目は引きやすい角度を知ること

右利きの人は下から上よりも上から下、右から左よりも左から右の線が描きやすいですよね?

絵は字と違って描き順はありません。

自分が得意で楽な描き方で描くために、まずは引きやすい角度を知りましょう

右利きの人はだいたいこのくらいの角度が描きやすいと思います。

ストローク: 右利き角度

3つ目は線を引く速度を意識することです。

線を引くときにペンを早く動かしすぎてはいないですか?

もちろんゆっくり過ぎても良くないですが、線を引くことに慣れるまではゆっくりペンを動かしてみて自分に合った速度を知ることが大切です。

ストロークの練習方法

まずは縦と横の直線を引いてみましょう。急がず、きれいな線を描くことを意識してください。

5cmくらいの長さを縦と横10本ずつ描いてみましょう。

ストローク: 縦横

次は角度をつけてみましょう。真ん中に向けて、できるだけ一定間隔で描いていきます。

ストローク: 角度

最後に曲線です。半円を描いてみましょう。

時計回りと反時計回りで半円ずつ描ければあとは絵を回転させればいろいろな円に適応できます。

ストローク: 曲線

2. 線を重ねて強弱を出す

線の強弱は一筆で表現するのはとても難しく、デッサンやデザインと同時に習得するのは不可能に近いです。

しかし、線を重ねることで簡単に線の強弱をつけることができます。

線の強弱をつける、というのは言い換えると太さと濃さを使い分けるということです。

線画を描くときに意識すれば、メリハリのある絵を描くことができるでしょう。

ストロークのコツを参考にしつつ、練習してみてください。

線の強弱の練習方法

重ねて線を濃くする方法です。線を同じ早さ、強さで3回なぞるように描いてみましょう。

強弱: 濃さ

線を少しずらすと太くすることができます。これも3回ずらして描いてみましょう。

強弱: 太さ

どちらも大事なのは一本の線に見えるようにすることです。

最初のうちはなかなか難しいと思うので、いろいろな線で何回も試して身につけてください。

3. 線をつなげて長い線にする

1の描き方だと長い線は一筆で引けないと思います。私も一筆だと5cmくらいしか引けません。

もっと長い線を描くためには、線を重ねて一筆に見せるのがおすすめです。

長い線はキャラクターの絵でいうと髪の毛や腕、脚のラインなど長い曲線が必要な部分が多く、綺麗な線に見せるために必須の要素です。

長い線の練習方法

まずは直線で練習してみましょう。

描き終わりは力を抜いて薄くすると次の線に繋げやすいかと思います。

長い線: 直線1
長い線: 直線2

次は曲線で練習しましょう。ストロークのコツ通り、自分の描きやすい方向に線を引いてみてください。

長い線: 曲線

まとめ

線の引き方のコツと種類と練習方法についての解説でした。

絵を描くときのウォーミングアップだったり気分転換などに練習してみてください。

基本的な部分を改めて見直してみることで、思わぬ発見があるかもしれません。

オドシ