アオリの顔(上を向いた顔)の描き方とポイントを徹底解説!
キャラクターの顔で上を向いた構図(いわゆるアオリの構図)は難易度が高く、敬遠する人も多いと思います。
今回の記事ではアオリの顔を描く際のコツやつまづきそうなポイントを詳しく解説します。
本記事は中級者向けになります。
目次
アオリの顔の絵はなぜ難しいか
アオリの顔の絵はなぜ難しいのでしょうか。いくつか理由があります。
① パースや立体の理解が必要だから
アオリの絵は角度がついているので大きさや見え方が正面の絵とは変わってきます。
顔も立体のひとつなので、ある程度パースや立体の理解がないと描き方がわからず難しく感じるでしょう。
立体の描き方は以前解説しているのでまだの方は是非どうぞ
② 顔は違和感に気づきやすいから
特にキャラの顔は絵の主役であることが多く、真っ先に目が行くため違和感に気づきやすいです。
また、顔を描くときは大体は見え方を優先して本来の立体とは違う描き方をすることが多いため、アオリの絵だと違和感を感じやすくなってしまうのです。
正面や横顔の描き方は別の講座があるのでそちらをご覧ください
上記の理由でアオリの絵は難しいと感じる人が多いようです。
まずは正面顔や立体の理解をある程度進めてからこの講座を読んでみてくださいね。
アオリの顔の描き方
描き方としては正面や横顔とさほど変わらないです。いつも通りの順番で描いていきます。
アタリを描く (円、十字線、補助線)
まずはアタリを描きます。上を向いているので、補助線や十字の横線は弧を描くように描きましょう。

シルエットを描く (顎、後頭部、首、耳)
次にシルエットを描いていきましょう。

正面顔と比べると耳の位置は下がり、顎の位置は上がります。

パーツを描く (目、鼻、口)
補助線を薄くしてパーツを描いていきます。

ここでのポイントは正面顔と比べてパーツを上に描くことです。

後ほど解説しますが、目や鼻のパーツの形を変えるとアオリの絵に見えやすくなります。
注意して描いてみましょう。
髪を描く (前、横、後ろ)
最後に髪を描いて完成です。
ポイントは髪の厚みをもたせることと、後ろ髪と前髪の差をつけることです。
(この画像は特にわかりやすいパッツンな子のイラストにしています)

正面顔は案外むずかしいという話を以前の講座でしたと思うのですが、アオリの顔も正面の顔が一番難しいです。
理由としては顎の表現が難しいからでして、ここが最大のポイントでもあります。
アオリの顔を描くときのポイント
アオリの顔を描くときのポイント1つ目は、顎下のパーツを意識することです。
そして実は上記で描いた顎の位置、見た目を優先して意図的に違う位置に描いています。
これがポイント2つ目で、正面顔の顎の位置は調整することです。
詳しく解説していきます。
① 顎下のパーツを意識する
まずは正面以外のアオリの顔を描いてみました

これらの顔にはアオリでない時には描かれない部分があります。
それが顎下のパーツです。顎から耳にかけての下の部分です

顔の立体を理解するときにこの顎下のパーツはとても重要です。
ここを描かないとのっぺりした顔になったり、パーツの位置がおかしくなったりしてしまいます。
実際に自分の顎周りを触ってみると形がよく分かりますよ。
② 正面顔の顎の位置を調整する
ここまでアオリの顔の描き方と顎下のパーツについて解説してきました。
もう気づいている方がいるかも知れませんが、最初に描いた正面のアオリの顔は顎の位置を調整しています
顎の位置は本来ならもう少し上なのですが、あえて下に描いています。

アオリの絵を調べると正面顔はこの表現が圧倒的に多かったです。
しっかり顎下のパーツの意識ができていれば位置を多少調整しても大丈夫、というポイントでした。
パーツの形でアオリを表現する
アオリの顔は全体のバランスや位置関係などがとても重要できれいに描くのはかなり難しいですよね。
しかしパーツさえアオリに見えていれば描きたいポーズや構図が描けるというケースも少なくありません。
ここではそれぞれのパーツの形の変化に注目して簡単に解説していきます。
目
目は絵の中で一番先に視線が行くところなので形を変えるのは非常に有効です

カメラ側に視線を向けていること前提にはなってしまいますが、
瞳が下まぶたに遮られて水平(あるいは目尻に向かって下がっていく)な状態を描いてあげるとアオリの顔に見えやすいです。
いろいろな角度から見た目は過去に記事を上げているのでそちらも参考にしてください。
鼻
いつもは注目することが少ないパーツかもしれませんが鼻も描き方でアオリを表現できます。

鼻のベースは三角錐の形をしているので、三角錐の立体を下から見た図をデフォルメしてあげると良いです。
アオリにすると鼻の穴が見えるので、角度によっては描いてあげると説得力が増します。
(必ず描かなければならないというわけではなく、見栄え優先にしたほうが良いです)
口
最後に口です。
デフォルメだとサラッと描いてしまいがちですが、感情やシチュエーションを表す大事なパーツです。

口はアオリにすると上に弧を描く形になります。 ︵ の形です。
また口を開けると上顎が見える形になるので、上の奥歯を描くと説得力が上がります。
まとめ

アオリの顔の描き方について解説してきました。顔の描き方の中でも一番むずかしい角度だと思います。
一朝一夕でマスターできるものではないですが描き方を知っておくと描ける絵に幅が広がりますよ。
ぜひじっくり練習してみてください。
オドシ



