デッサン力を高める!立体の基礎練習その2 ~円柱と平面を描けるようになろう~
この記事は立体の基礎講座の第2回です!第1回では箱の描き方を解説しました。
今回は前回の内容を踏まえつつ、さらにいろいろな立体を描けるようになろうということで
円柱と平面の描き方を解説していきます。
この解説がマスターできればかなり立体を描くことに抵抗がなくなると思いますし、
同時にデッサン力も上がるので絵のおかしいところに気づくことができるようになるはずです。
目次
円柱の描き方
では円柱を描いていきましょう。実は描き方は箱よりも簡単です。
Step1. いちばん簡単な円柱の描き方
まずは前回の講座でも出てきた平行投影法で描いてみましょう。
① 楕円を描きます。

② 楕円の端から線を2本垂直に伸ばします。

③ 楕円の下半分と同じ曲線で線を繋いで完成です。

線を上に伸ばせば下から見た円柱を描くことができます

また、楕円の大きさを変えることで円柱の形や映す角度を変えることができます。

箱は慣れてくればフリーハンドでもかなり正確に描けるのですが、円柱は正確に描くのがとても難しいです。
なので、立体に見えるのであれば一旦OKとしましょう。
ひとまず狙った角度からざっくりした円柱が描けるようになることを目標に練習してみてください
Step2. パースのついた円柱の描き方
次はパースのついた円柱を描いてみましょう。
パースの基本は 「近くのものは大きく、遠くのものは小さく」でしたね。
円柱もこの基本に則って、まずは上から見た円柱を描いていきます。
① 上面となる楕円を描く

手前半分が少しだけ丸みを強く描くと自然に見えます
② 両端から線を下に伸ばす

カメラから遠ざかるので幅は狭くなります
③ 2つの線をつなぐ (イメージしやすいように隠れている部分も描いています)

上の線よりも気持ち丸みが強くなります。
円柱の表面に線を引いて、輪切りにしたときの線を引いてみると立体感がつかみやすくなります。

横からもパースのついた円柱を描いてみましょう。
横から円柱を見ると上面も下面も見えないですが、側面の線はほぼ平行なので側面から描いていきます。
① 二本平行な線を引きます

② 上面と下面のフチを描きます。

③ 輪切りにしてみて、まっすぐになる線がアイレベルです。

基本的に円柱はそこまでバリエーションがありません。
ここまで描けたら後は太い円柱や細い円柱、長い円柱や短い円柱をいろいろな角度から描いてみましょう。

箱の描き方と組み合わせてみよう
第一回の箱と似ている点、違う点を比較しつつ描いてみましょう。
箱の中に円柱を入れたり、組み合わせたり描いてみるのも楽しいですよ。

平面の描き方
さて、次の立体は平面です。平面が立体、というと少し不思議な感じがしますね。
しかし3次元上に存在する平面はとても重要な形です。ポイントを抑えながら描いていきましょう。
Step1. 色々な角度から平面を描いてみよう
わかりやすいサンプルとして9マスに分けるような線を引いた平面を使います。
サンプルを真上から見るとこんな感じです。(わかりやすく色分けしてありますが、あくまで参考です)

さて、パースの基礎を思い出しながら早速いろいろな角度から描いていきましょう。
まずは正面斜め上から見た平面が一番シンプルに描けると思います。
① 縦の線を同じ長さで引きます。平行な線を延長すると消失点で交わります。
② 横の線を引いて完成です。パースの基礎通り、近い部分は線の長さも線の幅も大きく描きます
正面以外からも考え方は同じです。消失点とパースを意識すれば自然に描くことができます

カメラの角度を変えると消失点の位置も変わることに注意しましょう

平面は床もそうですが壁や天井どこにでもあるのでカメラだけではなく平面そのものも回転します。
消失点やパースを感覚でつかめるようになるまで何度も描いてみましょう。

横の線が画面と平行でない平面
このサンプルの平面、実は同じ角度でも描き方が複数あります。
床に沿って平面をくるっと45度回してみましょう。

今までの描き方は横の線が画面と平行で消失点は1つでしたが、この描き方だと垂直に交わる線はそれぞれ別の消失点に向かうので消失点は2つになります。

この見え方もある程度感覚で描けるようになるまで試行錯誤しながら繰り返しましょう。
一旦自分の感覚で描いてみた後にパース線を引いてみて、答え合わせをしてみてください。そこまで精密で無くても大丈夫です。
この平面を描けるようになるだけでデッサン力は確実に上がっています。
前よりもいろいろな物体を描けるようになっているはずです。
Step2. 平面上に立体を描いてみよう
Step2は平面と立体の組み合わせです。Step1で描いた平面に、箱や円柱を立たせてみましょう。
① まず円柱から。下面となる円を平面の真ん中の領域に描きましょう。

② 円の両端から垂直に線を伸ばします。

③ 上面を描いて完成です。平面と同じ空間に置くのでアイレベルやカメラとの角度を意識しましょう。
アイレベルが上面よりも下であればこのような見え方になります

次は箱を同じく真ん中の領域においてみましょう。
① 線を3本平面と垂直に伸ばします。線の長さは後で調整すれば良いのでなんとなくでOKです

② 上面を描いて完成です。円柱よりもパースを意識する必要があります。
どの辺がもとの図形で平行で、パースが効くとどんな角度になるのか、を意識しながら描いてみてください。

慣れてきたら天井や壁から立体を生やしたり、逆に平面に穴を開けてみたりなどすると立体への理解がさらに深まります。

Step3. クロッキーに床を描いてみよう
平面最後のステップは今までの平面で学んできたことを活かして実際に人物画に取り入れてみよう、という試みです。
今までは平面を描いた後に立体を描いていましたが、今回は立体を描いた後に平面を描く形になります。
キャラクターの絵などを描くときもおそらくこの順番ですよね。絵を描く時にどこに立っているか、どのような空間にいるかという表現に平面は欠かせません。
今回は30秒ドローイング(30秒でなくてもOKです)で描いたクロッキーに取り入れてみましょう。
少し簡単な斜め上からのアングルからのポーズです。それぞれどのような平面上に立っているでしょうか?

描き方も自由ですが、足が2本設置している場合はまずそこを基本の線として他の線も描いてみるのがおすすめです。
答えはいくつもあるので気負わずに平面のパース線を描いてみましょう。

パースがわかれば簡略化して3×3の線にするなど、どんな線でも大丈夫です。
下からのアングルのクロッキーにも描いてみましょう

この練習の目的は正解のパース線を描くわけではなく立体を描く力を身につけることです。
なのでそこまで厳密である必要はありません。
自然に見えるか、平面を描く力が身についてきているかに注目してどんどん数をこなしていきましょう。

毎日絵を描く前のウォーミングアップとしておすすめです。
円柱と平面の描き方のまとめ
以上、第2回立体の講座でした。
ここまで描けるようになれば、立体を捉える力はかなりついてきていると思います。
どんな絵を描く上でも立体の把握は必須の能力です。楽しみながら自分の描けるものを増やしていってみてください。
オドシ