【イラスト講座】影の描き方(実践編)
前回の記事では、影の特性とイラストにおける影の種類を説明しました。
今回は、実際にキャラクターに影をどうやっていれたら良いのかについて書いていきます。
今回の記事は、基本編を踏まえて書いていくので、見ていない方はどうぞ
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キャラクターに影をつけてみよう
早速ですが、線画を描いて下塗りをしたキャラクターに影をつけてみましょう
今回はバストアップの構図でいきます
線画を置いておくので、自由に使って下さい
レイヤーの分け方
その前に影を描くときにレイヤーの構成はどうなっているでしょうか?
(塗り慣れている方はこの項目はスキップして大丈夫です)
余談ですが、ラフ~線画までのレイヤー構成に関しては昔の記事を見てみて下さい
作業別フォルダ => 大パーツごとフォルダ => パーツごとレイヤー
という構成にしています。
自分がわかりやすい構成にしてしまって構わないのですが、レイヤーのわけかたの参考になればと思います。
今回の本題、影を塗るときなのですが、クリッピング機能を使いましょう。(詳しくは調べて下さい)
簡単に言うと、「元になっているレイヤーに描いてある部分にだけ色が塗れる機能」です。
saiだとこのような表示になります
左にピンクの線が入っているレイヤーは下のレイヤーをクリッピングしています。
ここでは上4枚のレイヤーがすべて「肌」レイヤーをクリッピングしていることになります。
この機能を用いて影を描いていきましょう。
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落ち影を塗る
ではさっそく前回の講座の「落ち影」を塗っていきましょう。
落ち影を描く上でのポイントは、
何の落ち影なのか、どのくらいの距離なのか常に考えて描くことと落とすときはがっつり影を落とすことです
肌
肌の落ち影を塗ってみました。赤文字はそれぞれが何の落ち影なのかを表しています。
髪の影は対象との距離が小さいので少しだけ、
頭の影は対象との距離が長いので広い面積に影を落としています。
髪
つぎは髪の落ち影を塗ります。
キャラクターの髪は前にも説明したとおり、完全に架空の物体なので幾つかポイントを抑えておきましょう
髪は表と裏を意識して塗っていきます。
たとえばもみあげから伸びている髪は、影を塗っている部分が「裏」になります。
後ろ髪はすべて「裏」なので全部に影を落としています。「内側」と「外側」という括りでも良いかもしれません。
とにかく、塗り分けはがっつり行きましょう。
服
服も同じ要領で塗っていきます。
重なりが多い服ほど影を塗るのが大変かと思います(今回は割と楽です)
最終的にこんな感じになりました。
俗に言われる「アニメ塗り」は影の書き込みはこのくらいだと思います
自然影を塗る
ではここから自然影を塗っていきましょう。落ち影とはレイヤーを別にして、ブラシの不透明度も60%くらいにします。
肌
まずは肌を塗ってみます
・・・どの部分が変わったかお気づきでしょうか?
一番顕著なのは腕の部分ですね。ここでは回りこみの自然影(自分自身に落とす影)を両端に落としています。
と、ここで光源はいったいどうなっているのかというお話をしましょう。
キャラクターのイラスト、特に単体で描かれるイラストの光源はカメラと同じか少し上辺りにあると思って下さい。
これはキャラクターを一番良く魅せるためのライトです。
現実でも、モデルさんなどが写真を撮る時、カメラの近くには写真撮影用の照明やレフ板がありますよね?
あれと同じと思っていただけると良いかと思います。光源の意識はなんとなくで良いですがしておいて下さい。
髪、服
髪と服も自分自身に落とす自然影をメインに塗っていきます
髪の塗り方についてはかなり差があるので
好きなイラストレーターさん、漫画家さんを参考にして書いていただければと思います。
基本的には髪先に自然影を落とす方がほとんどです。
服は皺による自然影影も入ってきてます。(要望があれば服の皺についても講座を描こうかな…)
でもとりあえず、回りこむときにできる影を描いていくとそれっぽく見えるようになると思います。
おわり
今回は影の描き方について書きました。
わかりにくい点などあったら(必要そうであれば)記事にしますので、
お気軽にコメントいただけたら嬉しいです。
長くなってしまいましたが閲覧有り難うございました
ディスカッション
コメント一覧
投稿お疲れ様です。
今回は実際にキャラクターを使った影の塗り方でしたが、私は落ち影しか塗っていなかったので、とても参考になりました。
今後もがんばってください。
>> おも さん
コメントありがとうございます!
落ち影に加えて、自然影を塗ると完成度が上がりますよね!参考になって良かったです
お互いお絵かき頑張りましょう
オドシ
今回もお疲れ様です
とても良い経験になります!
投稿お疲れ様です。
いつも参考にさせていただいてます。
服の皺についてのご教授いただけると嬉しいです!
>> やぱ さん
コメント&要望ありがとうございます!
服の皺ですね!足の次に記事にしようと思っています
ゆっくり待っていただけると幸いです
お互いお絵かき頑張りましょう
オドシ
すごくわかりやすいです!
できれば顔と体との比率やバランスなどを教えていただけないでしょうか?
どうもうまく描けないんですが……。
お願いします!
>> kote さん
コメントありがとうございます!
肩周りの記事では一応顔と上半身の比率を書いていますので参考にしてみてください!
http://sunamerimeri.info/how-to-draw-around-shoulder/186
でも通して見てみると、たしかに全身を通しての比率が載っていないので、
どっかでまとめようと思います。ゆっくりお待ちください!
では、お互いお絵描き頑張りましょう
オドシ
はじめまして、大和と申します。
興味深く記事を拝見いたしました。
質問があります。
この記事で使われているところの「自然影」と「落ち影」が重なっている部分の明度はどのように考えればよろしいのでしょうか?
腕の後ろ部分の「自然影」と服の袖による「落ち影」の明度は同じなのでしょうか?(反射光を考慮しない場合)
ご教授いただけると幸いです。
よろしくお願いします。
>> 大和 さん
コメントありがとうございます!返信遅くなってすみません…
>>腕の後ろ部分の「自然影」と服の袖による「落ち影」の明度は同じなのでしょうか
流れ上こちらから答えますね。
自分は「何かに遮られてできている」という納得感があるので落ち影の方を濃く描きます。
ほかの作家さんを見てみても多分落ち影を濃く書いてる方が多いとは思いますが、こういう基本的な部分での固定概念は
絵を描く上であまり強く持たないほうがいいです。
描く度に落ち影と自然影の濃さを変えてみたりなどして、自分がいちばんしっくり来る塩梅を探すのがいいのでは無いでしょうか。
>>「自然影」と「落ち影」が重なっている部分~
これは本来はどちらも加味して描くのが正解です。
ですが僕は落ち影の中の自然影が目立ちにくい場合に限り、落ち影だけ塗ったりしています。
落ち影の中で立体感を出す必要があると思ったら自然影を入れると思います。答えになってるでしょうか…
お互いお絵かき頑張りましょう
オドシ
>> odoshiさん
大和です。
返信いただきありがとうございます。
> 自分は「何かに遮られてできている」という納得感があるので落ち影の方を濃く描きます。
逆光のイラストを描くときにどうしたものか…、と悩んでいたのでスッキリしました。
> 落ち影の中で立体感を出す必要があると思ったら自然影を入れると思います。
絵柄によるということですね…、これもケースバイケースで考えていこうと思います。
私の中で曖昧だった認識がご回答いただいたことでハッキリさせることが出来ました。
ありがとうございました。
はじめまして。
イラストの上達を図りいつも興味深く拝見させていただき、参考にしています。
影の入れ方の記事、とてもわかりやすかったです。
できることなら影だけでなく光の入れ方の記事も掲載していただけると嬉しいです。
>> すい さん
コメントありがとうございます!
わかりやすかったとのことで大変嬉しいです
光の入れかた…!なるほど、記事にできそうなので検討してみますね、ゆっくりお待ちください!
オドシ